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2009年2月

タックスヘイブン税制について

1.概要

 


税法の規定では、日本の居住者(個人)及び内国法人によってその発行済 
株式等の50%を超える株式等を直接及び間接に保有されている外国法人で法人税の負担割合が25%以下となるものの留保所得のうち、その外国法人の発行済株式等の5%以上を直接及び間接に保有する内国法人等のその保有する株式等に対応する部分の金額は、その個人及び内国法人の所得に合算して課税するとなっています。 

簡単に言うと、税率が25%以下のタックスヘイブンに会社を設立しても、当該会社の株式を日本人が50%超所有し、かつ各々の株主が5%以上の株式を所有していた場合には、タックスヘイブンで稼いだ所得に対しては日本で課税しますということです。つまり、タックスヘイブン国では税金が全く発生しなくても日本国に対しては税金を納める必要があるということなので、節税のメリットは全く無いことになります。 

一般的にタックスヘイブンに会社を設立する場合、株主はひとりで設立することになります。その理由として他人資本を入れて設立すると、何か問題があったときにコントロールがきかなくなり、統制がとれないからです。ひとりならばすべての問題に対して決断可能ですから、会社の運営という意味では問題がありません。 
しかし、日本の税制上はひとりで会社を設立してしまうと、タックスヘイブンのメリットを全く享受できなくなります。公平性の観点から日本人がタックスヘイブンを利用することを税務上制約しているのが、タックスヘイブン対策税制です。 


●特徴 
(1)対策税制のアミにかかるかどうかは、各会社毎、各事業毎、各事業年度毎に判断されますので、今年がOKだからと言って来年もOKというわけではなく、また同じ会社の中でも、Aという事業はOKでもBという事業はダメという場合もあります。 

(2)タックスヘイブンで稼いだ利益が現地で留保された場合に、日本で課税される時期としては特定海外子会社の決算日から2ヶ月を経過した日を含む親会社等の事業年度の所得に合算されます。 
例えば、親会社及び子会社の決算がともに暦年(12月末日決算)だとすると特定海外子会社の稼いだ所得に対して課税されるのは2月末日を含む親会社の事業年度になりますから、子会社の事業年度から考えると課税される時期の事業年度が1年ずれることになります。 

(3)納税義務者は、タックスヘイブンの会社の株式を直接又は間接に5%以上所有する日本の居住者及び内国法人です。つまり、5%以上の株式を所有していなければそもそもこの対策税制のアミにはかからないことになります。 

(4)対策税制のアミにかかる会社は、25%以下の低率あるいはゼロ税率であるタックスヘイブンの会社で、かつ発行済株式総数の50%超を日本の居住者または内国法人が所有している場合です。つまり、日本の非居住者や外国法人が株式を50%所有している会社は該当しないことになります。

.対策税制のアミにかからないようにするには

●株主の構成割合を考える 
日本の非居住者または外国の会社が実質的に50%の資本をもつこと。 
この問題は会社の支配権の問題ともつながりますが、50対50の割合で 
株式を所有しておけばお互いイコールですから、問題が発生したときには 
話し合いで決めるしか方法はありません。ただし、形式的に50対50に 
しても税務当局は認めず、実質的な支配権を実態に即して判断しますので 
50対50に資本を分割したからといってこの要件をクリアすることはできません。 

●実質株主の所有割合を5%未満にする  
日本人ばかりで設立したとしても、その所有割合が5%以上にならなければ 
対策税制のアミにかかりませんので、21人以上の第三者を集める必要が 
あります。(親戚を集めてもダメです。) 
しかし現実的には会社の支配権が分散してしまい、会社運営に関する統制がとれないので、この点でおおいに問題はあります。 
 
●日本資本が50%超で所有割合が5%以上でも適用除外要件を満たせば 
対策税制のアミにはかからない 
対策税制は企業の正常な事業活動に対してまでも制約を加えていませんので、下記の適用除外要件に該当すれば、合算課税はされません。 
但し、次の事業を行う会社は適用除外が受けられません。 
これはそもそも以下のような事業活動を行うためにタックスヘイブンでの会社設立をする必然性が認められないためです。 

①株式、出資、債権の保有(持株会社等)  
②工業所有権、著作権、出版権の提供  
③船舶、航空機の裸用船、貸付 

適用除外を受けるためには次の3つの要件をすべて同時に満たす必要があります。 

①実体基準 
事業を行うのに必要な事業所、店舗、工場等の固定的な施設をタックスヘイブン内に保有又は賃借していること=事務所等の実体を持って事業活動をしていることが必要 

②管理支配基準 
タックスヘイブンの法人が事業の管理・支配及び運営を、当該会社自らタックスヘイブン内で行っていること。 
具体的には、常勤の役員が現地で職務を執行していること(名義役員ではダメ)、株主総会や取締役会が現地で開催されていること(書類だけではダメ)、会計帳簿を現地で作成し保管していること等を個別に勘案した上で総合的な判断を下すことになります。 

③非関連者基準又は所在地国基準 
タックスヘイブンの会社の主たる事業内容によって次のいずれかを採用します。 

(A)事業内容=卸売(商社)、銀行、信託、証券、保険、水産、航空運送業の場合  
収入金額又は仕入金額のいずれか一方の金額の50%超について非関連者との取引であること。 
ここでいうところの非関連者とはタックスヘイブン会社の株式の5%以上を所有していない日本人タックスヘイブン会社の子会社、親会社、兄弟会社をいいます。 

(B)事業内容=(A)以外の場合、製造業、小売業、サービス業、建設、不動    産業等 
主としてその事業活動をタックスヘイブン内でおこなっていること。 
商社や銀行等の金融業であれば、全世界のマーケットを相手に商売ができますのであえてタックスヘイブン国内で事業活動を行う必要性はないので、取引している相手方(得意先又は仕入先)との取引の50%超が第3者間取引であれば、この基準に該当します。 
これに対して製造業や小売、サービス業はタックスヘイブン国内で事業を行う必要があります。この条件に該当するには現地で工場や店舗を構える必要がありますのでかなり困難です。 

以上、①~③の3つの条件すべて該当しないと対策税制の適用除外とはなりません。

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