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香港の税制について(工事中)

1.税制の概要

●税金の種類  
(1)所得税:事業所得税、給与所得税、資産所得税 
(2)その他:印紙税、事業登録税、宿泊税、物品税、遺産税=相続税、不産税 

日本の税制と比較しても香港の税金の種類は非常に少ないことがわかります。所得税は、(1)の3つに限定されますし、また住民税・事業税などの日本でいう地方税はありませんし、消費税や付加価値税、関税、贈与税などもありません。それと租税条約は一部の国を除いて締結していません。 

●所得税法の特徴 
(1)税率 
事業所得税   法人=16.5%  個人=15% 
給与所得税   最大15% 
資産所得税   最大15% 

(2)課税される所得の範囲 
オフショアでのキャピタルゲインや受取配当は非課税となります。香港内での源泉所得に対して課税がなされます。 

(3)居住者、非居住者の区別がなく、同一に課税されます。つまり源泉地課税が適用されます。 

(4)源泉徴収制度は原則的にありません。非居住者でも同じです。ただし、非居住者へのロイヤリティ支払いの場合は例外です。 

(5)課税年度 
毎年4月1日から翌年の3月31日までとなっています。 

(6)賦課納税制度 
日本のように源泉徴収制度や確定申告の制度ではなく、申告書提出後、IRD(日本の国税庁のようなもの)が所得を査定し、納税義務者に税額が賦課されますので、その後期限までに納税することになります。 

(7)内国歳入庁(Inland Revenue Department) 
日本の税務当局に該当するIRDは少人数でスリムな組織になっており、税務調査は年間1000社程度を対象に行われています。香港で登記されている会社数はちなみに50~60万社といわれています。 

.事業所得税について

●事業所得税の概要と特色  

(1)事業所得として課税される要件は以下の3つです。 
①会社が香港内で事業活動を行っていること 
②当該事業活動から得られた利益が存在すること(但し、キャピタルゲインは非課税) 
③当該利益は香港内で発生したものである、又は香港からもたらされたものであること 

(2)課税所得の計算 
日本のような確定決算主義ではなく、企業会計上計算した利益をベースに 
税務上の調整計算を行い、所得を計算します。 

(3)繰越欠損金は永久に繰り延べ可能です。 

(4)会社法上すべての企業に監査が必要です。実務的には申告書に会計監査報告書を添付して提出します。 

(5)その他の特色 
外国税額控除制度はありません。配当金を送金する際に源泉徴収の制度はありません。連結納税制度はありません。過小資本税制もありません。 


●納税義務者 

香港で設立された法人、個人の事業主、パートナーシップ等で上記の課税条件3つを満たす者が納税義務者となります。 
香港に居住しているか否か、香港法人か外国法人かで課税上の取扱いが異なることはありません。 

駐在員事務所の活動に対しては課税されませんが、多額の預金等から生ずる利息に対しては課税されることもあります。また香港での購買活動を専門にする事務所(Buying Office)に対しては原則非課税となっています。 
営業開始前の現地法人に対しても、駐在員事務所と同様預金利息等に対しては課税されます。 
香港内に事業活動の拠点を有していなくても香港内で委託販売をしてロイヤリティ収入を得ているようなケースでは課税されます。 


●オフショア所得に対する取扱い  

(1)原則 
所得の源泉場所を判定するのは、すべて事実認定の問題になり、普遍的な 
規則は存在しません。一般的にはどこでどのようにして利益が生じたかを確かめることになります。所得の源泉地は個々の取引ごとに判定します。所得の源泉がオンショアとオフショアにまたがって発生している場合には、合理的に所得を按分します。 

(2)卸売業の場合 

仕入      販売      課税の有無 


香港外     香港外       無 
香港内     香港外       有 
香港外     香港内       有 
香港内     香港内       有 

商品の仕入れ及び販売がともに、香港外で行われている場合のみオフショア所得になり課税対象となりません。 
仕入や販売活動が香港の内か外かの判断は契約、準備、交渉、締結が香港の内か外かのどちらかで行われ、かつその行為が有功かどうかで判断されます。 

(3)製造業の場合 

製造業の場合は所得の源泉は生産活動にあるので、生産している場所がどこにあるのかが問題となります。 
生産活動がすべて香港内で行われている場合は、製品の販売活動が香港外にあっても全額課税対象となります。 
生産活動がすべて香港外で行われている場合は、製品の製造に関わる利益に対しては非課税ですが、香港内で製品の販売活動が重要であれば、販売活動に対する利益については全額課税されます。 

(4)役務提供に対する所得 
役務が提供された場所が所得の源泉地となりますので、日本でサービスを提供した場合には課税対象になりません。 

(5)不動産の賃貸所得及び売買所得 
不動産の所在地が所得の源泉地となりますので、香港の法人が日本の資産を売却した場合には課税対象になりません。 

(6)有価証券の売却所得 
上場されている有価証券の売却益は当該有価証券が取引されている証券取引所の所在地が源泉地となりますので、香港の法人が日本の上場株式を売却して得た所得に対しては課税対象になりません。 
 


●キャピタルゲインに対する取扱い 

香港ではキャピタルゲインに対して課税されませんが、キャピタルゲインの認定は事実認定によっていますので、ケースバイケースにより異なります。 

(1)資本的資産のみが特例の対象となる 
キャピタルゲインの対象となる資産は、転売して利益をえる目的で所有する資産ではなく、長期にわたり、その資産を賃貸または自己が使用するために所有する資産として考えられています。つまり、短期的売買の目的となるような資産の売却益はキャピタルゲインとはなりません。 

(2)キャピタルゲインとして認定されるための条件 

①購入時に転売目的でないことを立証できる書類、たとえば議事録、稟議書、契約書等を準備しておくこと 
②資産の所有期間は5年以上とすること 
③長期的所有になじまない資産は対象外である 
④売却する際の意思は意図的ではないこと 
⑤資産の所有目的が取得時以降不変であること 
⑥資産売却を短期間に何度も繰り返していないこと 

以上6つの条件をクリアできるようにしておけば資産売却から生じるキャピタルゲインに対しては課税されることは少ないでしょう。 


●税務申告及び納税について  

香港では賦課納税制度がとられていますので、税務申告代理人である監査人が申告を代理します。 

(1)税務申告書の提出及び報告義務 

4月~11月の決算期の会社=翌年の4月30日まで 
12月決算の会社=翌年の7月31日まで 
1月~3月決算の会社=8月31日~11月15日まで 

(2)納税についてはIRDから賦課決定通知書が送付されてきますのでこれに基づき納税します。 

(3)会計帳簿は英語または中国語で記録して、最低7年間保管する義務があります。 

3.給与所得税について
給与所得税は日本のように源泉徴収制度ではなく、納税者が自ら申告納付する制度になっています。また申告時に納税するのではなく、税務当局が査定した結果支払通知書に基づき指定日までに納付することになります。 

●納税義務者

(1)香港内で雇用契約がなされている雇用所得のある者 
雇用契約が香港の内か外かは、雇用契約が準拠する法律の施行地がどこか、 
雇用主の居住地がどこか、報酬の支払われる場所及び通貨の種類によって 
判断し、これら3つの条件がすべて香港の外であると認められる場合には 
源泉地は香港外にあると判断され課税対象となりまsん。

(2)取締役の報酬 
取締役の報酬の源泉地は取締役としての地位が法的に存在する場所によること 
になります。たとえば取締役会が香港内で開催されている場合にはその源泉地は 
香港になり課税対象となります。

●課税対象範囲

給与所得として課税される範囲は以下のものがあります。

賃金、給与、賞与、休暇手当、謝礼、手数料、チップ、臨時収入等です。 
これらの収入は雇用主から受け取ったものだけでなく、他の第3者から 
受け取ったものも課税対象となります。

●所得控除について

家庭内経費、個人的経費、資本的支出に該当しない経費であれば、すべての支出について一定の条件のもと課税所得から控除されます。 
所得を生み出すために必要な機械装置に対する減価償却費は控除できます。 
人的控除についてはつぎのように決められています。 
独身者=10万香港ドル(97/98年度) 
既婚者=20万香港ドル 
扶養控除=第2子まで:27000香港ドル/ひとりにつき 
第3子から第9子までひとりあたり14000香港ドル

●税務申告及び納税

IRDは毎年5月上旬に納税者に対して申告書を送付してきますので、これに 
本人が署名した後1ヶ月以内にIRDに提出する必要があります。

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